久しぶりの更新になります。
今回は、前回に引き続き、ファンドレイジングのあり方について、考えてみたいと思います。

 

ファンドレイジングの準備

前回は、ファンドレイジングの第一歩として、あなたの団体の会員に対して会費の納入をお願いすることをお話しました。この会費納入で一定の成果を獲得されたあなたの団体は、そこでファンドレイジングの成功体験を持ったことになります。

そこで、今回は、その成功体験をもとに、いよいよ「寄付金」のお願いをするための準備について考えたいと思います。

 

 

ファンドレイジングは、資金調達を意味するとともに、あなたの団体の考える「社会課題」を広く知らせ、かつ、団体がその「社会課題」をどのように解決し、どのような未来を作れるかを見せる手段でもあります。

そのことから、「寄付金」を募るに際しては、その準備として、まず、次のことを行いましょう。

1.あなたの団体のミッションとビジョンをスタッフ全員が誰にでも説明できるよう訓練しましょう。ここで、よく言われる「ミッション」と「ビジョン」について説明しておきます。
ミッション:あなたの団体が存在する理由や役割を定義したものをいいます。誰にどんな価値を提供するのかを示したものです。
ビジョン:あなたの団体全体が今後何年間かで目指すべき姿。団体全体の共通の目的となり、スタッフ等の気持ちを高めるメッセージ性があります。
ミッションを具体化したものがビジョンと考えてもよいでしょう。

<ポイント>

①団体を設立した時の「社会や地域における問題意識(社会的課題)」は何であったか?ということを、何度でも、スタッフ全員で吟味し、再構築します。もし、その問題意識が陳腐化していると判明した場合は、新たに作り直す勇気も必要です。

②どのようにして、その社会課題を解決するのか考えてみましょう。スタッフ全員で日々その解決策を追及していく姿勢が重要です。

③解決策を追求する際の一助としては、あなたの団体が、受益者となる人々に必要なサービス等を提供できる団体であるかを考えてみましょう。

④資金提供者やボランティアの方々に事業の成果を見せることができるかを考えてみましょう。事業の成果は、必ずしも貨幣価値で図る必要はありません。それ以外での社会的価値で自団体の事業を評価すること(社会的価値の見える化)も考えてみることをお勧めします。(社会的投資収益率(Social Return On Investment))

2.あなたの団体で決定されたミッションおよびビジョン、扱う社会課題とその解決策をいろいろな場面で紹介していく戦略を考えましょう。
単発的にチラシやネットで紹介するのではなく、継続的に、またいろいろな社会の出来事と呼応させて、あなたの団体がしようとしていることをアピールするためには何何が必要か、どんなことを仕掛けていくかを日ごろからスタッフ同士で考えていきましょう。それらの考え(アイデア)が集まり、昇華して、あなたの団体特有の戦略が生まれます。

3.すべての準備が整ったら、「寄付金」募集の開始です。

①特定の事業のための寄付金なら、期間を決めてエネルギーを集中させて行動にでなければなりません。時を逸したら「潜在的寄付者」からの寄付を受ける機会を逃してしまうかもしれません。

②あなたの団体の全体的な機能維持(事務局機能など)のための寄付金なら、寄付者数と寄付金額が確実に右肩上がりになるよう、ゆっくりでもよいので、日々たゆみなく行動すべきと考えます。

これらをすべて含めてルーティンワークと考え、行動し、成功体験を重ねていくことにより、あなたの団体は、確実に市民の方々から信頼され、応援される団体へと変わっていくでしょう。そうなることを心から願っています。

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