9月に入り、少し暑さが和らぎつつありますが、次々と台風が日本列島を襲い、大きな被害が各地で起きています。皆さんのところでは対策は万全でしょうか?ぜひ、お気をつけていただきたいと思います。

さて、今回は、NPOという組織が、順調に運営されていくために必要な資源の中の「金」いわゆる「資金」の調達に係るとっても大事な考えをお伝えしたいと思います。

NPO活動は、他の一般企業には見られない特徴として、大切な活動が多くのボランティアさんによって支えられているという面がありますが、それだけでは限界のある部分も多くあり、それを支えるものの一つとして「資金」があります。
ここで、いわゆる「ファンドレイジング」が注目されています。

「ファンドレイジング」は、直訳すると「資金調達」ということになるので、単に資金を調達する方法だけを考えがちですが、実は、資金調達に成功するためには、その前段階として、その団体の会員、スタッフ全員が、自団体のミッションやビジョンをより具体的に理解・把握・共有し、支えてくださる市民の方々に説明し、納得していただくというプロセスが重要かつ必要となります。

先日、ある団体の銀行融資による資金調達をご支援しましたが、融資の書類には、上記に挙げたような自団体の目的やそれを達成するための方法、返済計画などを具体的にイメージして記載しなければなりません。そこで、私自身もその団体と具体的イメージを共有することができるように、その団体の方にいろいろとお話をお伺いして、書類への記載内容を整理しました。後日、銀行からの融資が通りましたとのご連絡をいただき、一息ついたところです。

みなさまの団体では、どのように資金調達をされているでしょうか?

  • 自団体の活動内容を定期的に公開し、寄付金を募集しておられますか?
  • 公共団体や民間の助成団体からの補助金や助成金の申請をしておられますか?
  • 自主事業を大きく展開して、自前で資金を調達されていますか?

いずれも、大切なことです。

一般の営利企業と異なり、上記のような様々な収益源をもっていることがNPO法人の特徴です。しかし、そのいずれの場合でも、上に申し上げたように、「会員、スタッフの全員が自団体のミッションやビジョンを理解し、共有できており、どんな方にもそれを説明できるようになること」が、まず初めに行われなければならないことです。
そして、ミッションの再検討や更新は、定期的になされ続けなければ、時代に合わない陳腐化したものになり、資金調達も心もとないものとなるでしょう。

みなさまの団体がそれぞれ掲げておられるミッションやビジョンを、再度、全員が納得し、共有できるものとするために、ゆっくりと時間を取って話し合われるのも大切なお仕事だと考えます。

最後に、

理事の方々の中には、会員、スタッフは、当然、自団体のミッションなどは理解しているべきであり、すでに理解しているはずだとお考えの向きもあろうかと思いますが、そういう場合も、確認の意味でも、会員やスタッフの方々にしっかりと共有されているかを聴いていただき、その結果を踏まえて、これからの資金調達方法を検討していただけると、きっと実り多いものになると確信します。

当研究所は、こういったファンドレイジング、資金調達に係る自団体の情報整理などのご相談に、いつでも応じておりますので、必要と思われましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。

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