今年は台風の当たり年なのでしょうか?強い台風が次々とやってきては、大変な風雨であちこちに支障が出たりしているようですが、みなさまのところでは大丈夫でしょうか?

今回は、2016年9月14日更新の「とっても大事な資金計画」に続き、ファンドレイジングの基本的な考え方についてお伝えしたいと思います。

「ファンドレイジング」とは、「資金調達」と訳されるもので、NPO法人その他民間非営利活動組織(以下「NPO団体」という。)だけでなく、営利企業に関連した「資金集め」という意味で使われることもありますが、このサイトでは、特にNPO活動に必要な資金集めに注目して、「ファンドレイジング」の考え方や手法などを、これから少しずつ継続してお伝えしていきます。

 

 

ファンドレイジングを考えるにあたり必要なこと

2016年9月14日更新の記事にもあげたとおり、まず必要なことは、そのNPO団体の役員、職員(常勤、アルバイトを問わず、すべてのスタッフ)の全員が、団体のミッション、ビジョン、事業展開に係る基本的な考え方(経営方針ともいえるもの)を共有し、熟知していることです。これなしに、以下のファンドレイジングの成功はあり得ません。ファンドレイジングは、単なる資金調達の方策、道具ではないからです。

 

ファンドレイジングの持つ2つの意義

先に書いたように、ファンドレイジングは、一般には「資金調達の手段・方法」とされていますが、もうひとつ、大切な意義があります。
それは、ファンドレイジング活動を通じて、自団体が解決したいと考えている「社会課題」を広く社会のあらゆる人々に伝えることです。

これにより、それらの人々との間で次のことが可能となります。

①その「社会課題」に関する情報を共有することができます。

②その「社会課題」を解決する方法を共に考えることができます。

③その「社会課題」を解決するために必要なボランティア活動の機会を提供できます。

④その「社会課題」を解決するために必要な資金の提供を受けることができます。

したがって、その団体が、自団体の活動の対象(社会課題)について説明することや、その活動によって生み出される価値(社会的価値)を説明することにより、より多くの人たちに関心をもってもらい、その社会課題に気づき、解決するために行動するきっかけを提供できるということをもっと意識すべきではないかと思います。

このような説明する、もっと言えば、その団体やその社会課題の解決を支援したくなるように熱心に説明するというコミュニケーション力が、その団体の一人一人に求められます。
NPO法人におけるファンドレイジングとは、単なる資金調達の手段・方法にとどまらず、それを通して、対象とする社会課題を変えていける、もっと言えば、社会の在り方を変えていける手段でもあるのです。ですから、資金集めをする際には、臆することなく大胆に自信をもって多くの人たちとコミュニケーションをとっていきましょう。

次回以降では、資金調達の具体的な方法を通して、ファンドレイジングのあり方を考えていきたいと思います。

ご自分の団体でファンドレイジングの考え方に沿って、資金調達をしたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、いつでも、当研究所にご相談ください。

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