忙しさにかまけて、更新が遅れ、11月に突入してしまいました。
みなさまの団体では、すでに後半戦に入り、事業にも熱が入る頃かと思います。また、事務局の経理、総務でも、年末調整等の準備に入られているところも多いてでしょう。
インフルエンザの季節にも入っているので、ぜひお身体には十分注意され、過労に陥らないよう、仕事の段取りをしっかり行うとともに、周りの協力を得ながら、後半戦を乗り越えていただきたいと思います。

今回は、前回に引き続き、ファンドレイジングのあり方について、考えてみたいと思います。

 

 

ファンドレイジングの第一歩

ファンドレイジングの大切な意義は、ファンドレイジング活動を通じて、自団体が解決したいと考えている「社会課題」を広く社会のあらゆる人々に伝えることであると前回申し上げました。

しかし、その団体やその社会課題の解決を支援したくなるように熱心に説明するというコミュニケーション力に自信がなく、寄付金を募ることを躊躇される団体もいらっしゃいます。

本来、ファンドレイジングの中でも、寄付金を募ることは、上記に述べたように単なる資金集めを超えて、重要な意味を持っていますので、寄付金を募るための「戦略」、つまり、寄付の経験はないが、寄付をされる可能性のある方々(潜在的寄付者)に効果的にあなたの団体が目指す社会課題の解決策に共感してもらい、寄付をしたいと思っていただくためのアプローチの方法が必要です。
しかしながら、上記のように、寄付のお願いを躊躇される団体もあるので、ファンドレイジングの成功体験を持っていただくことが必要であると考えます。それがあれば、さらに新しいファンドレイジングの歩みをしていただけるでしょう。

そこで、ファンドレイジングの第一歩として、お勧めしたいのが、あなたの団体のすぐそばにいる人にアプローチすることです。
見ず知らずの人に寄付金をお願いするのは、抵抗があるかもしれません。しかし、すぐそばにいる人になら、勇気を出してお願いをすることができるのではないでしょうか?

その「すぐそばにいる人」とは、あなたの団体の会員の方々です。

そして、初めてのファンドレイジングは、寄付金のお願いではなく会費納入のお願いです。

NPO法人は最低10名の社員(正会員)が必要であり、会員の方々は毎年会費を納めていただいているはずですが、いくつかの団体について、定款と活動計算書を確認すると、時々金額が不足している団体があります。
定款に定められている正会員の会費に最低10名を乗じた金額が活動計算書の経常収益の中の「受取会費」に計上されていなければならないはずです。もちろん、何らかの理由で会費納入が遅れている方もおられるかと思います。でも、活動計算書を3年分続けて見た場合でも、毎年金額が不足している団体も見受けられます。

もし、これが常態化していると、一般市民から見て、会員の中には、その団体を応援する気持ちが薄れてきている人がいるのでは?と考えられる可能性も出てきます。
また、そのような内部状況があると、新しい方々に寄付金をお願いすることを躊躇する気持ちが出てこないとも限りません。
ですから、まずは、身内である会員の方々の会費納入をしっかりお願いしましょう。
会費納入が滞っている会員は、あなたの団体を応援する気持ちが薄れているかもしれませんので、自分たちが考える「社会問題」の内容と解決策を、再度しっかりと説明する必要に迫られますが、これを契機に、新しくあなたの団体に関わることとなった方々にも、そのような説明ができるようになり、好循環を生み出すことができるのではないでしょうか。

ぜひ、これらのことを意識していただき、理事会やスタッフ会議で、戦略を練っていただけましたら、大変うれしい限りです。

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