1.解答

 

 

2.解説

 

(1)金庫にある現金の実際有高は120,360円であり、現金出納帳の残高は110,360円であったのですから、実際有高のほうが帳簿残高より10,000円多かったということです。
現金について実際有高と帳簿残高が違う場合は、必ず実際有高に帳簿残高を合わせなければなりません。この設問では、帳簿の「現金」を10,000円増やすことになりますので、「現金」を借方(左側)に記入します。
そして、その増えた理由がわかりませんので、仮の勘定科目として「現金過不足」を反対側、つまり貸方(右側)に記入します。
なお、その後原因を探り、見つかったら、「現金過不足」を正しい勘定科目に振り替える振替仕訳をすることになります。(問題(3)~(5))

 

(2)手提げ金庫の現金の現金は、現金出納帳より500円少なかったということは、帳簿残高のほうが実際有高より少なかったということです。上記(1)の説明と同様、実際有高に帳簿残高を合わせなければなりません。
この設問では、帳簿の「現金」を500円減らすことになりますので、「現金」を貸方(右側)に記入します。そして、その減った理由がわかりませんので、仮の勘定科目として「現金過不足」を反対側の借方(左側)に記入します。

 

(3)上記(1)の原因が分かったときは、その原因に対応する正しい勘定科目と「現金過不足」を振り替える仕訳(振替仕訳)をします。
設問では、その原因は会費の受取りを記帳していなかったということですので、まずは、会費を受け取ったときに使う「受取会費」という勘定科目をあるべき場所に記入します。この場合、「受取会費」は収益なので、あるべき場所である貸方(右側)に記入し、その後、その反対側の借方(左側)に「現金過不足」を記入します。

 

(4)上記(2)の原因が分かったときも、(3)と同様に振替仕訳をします。
設問では、判明した原因は2つあります。
1つ目は、寄付金3,000円の受取りを記帳していなかったということです。これについての処理は、寄付金を受け取ったときに使う「受取寄付金」という勘定科目をあるべき場所に記入します。この場合、「受取寄付金」は収益なので、あるべき場所である貸方(右側)に記入します。
2つ目は、旅費交通費3,500円の支払いを記帳していなかったということです。これについては、「旅費交通費」という費用の勘定科目をそのあるべき場所、すなわち借方(左側)に記入し、その後、その反対側の貸方(右側)に「現金過不足」を記入します。
この2つの原因を処理したところで、借方(左側)は「旅費交通費」の3,500円、貸方(右側)は「受取寄付金」の3,000円で、借方(左側)と貸方(右側)の合計を見ると貸方(右側)に500円の不足があることが分かります。この500円が(2)の「現金過不足」500円ということなので、これを埋めるために「現金過不足」を貸方(右側)に記入します。

 

(5)「現金過不足勘定の借方残高」というのは、「現金過不足」の金額が借方(左側)に残っているということです。設問では、借方残高1,800円が残っているので、この1,800円の現金過不足が出た際の仕訳はつぎのようなものであったと考えられます。

 

 

今回、この「現金過不足」1,800円は、理事会の会議でのお茶菓子代であることが判明しました。この会議のお菓子代を表す勘定科目は「会議費」です。そして、「会議費」は費用の勘定科目なので、借方(左側)に記入します。その後、借方(左側)にあった「現金過不足」を貸方(右側)に記入します。

 

補足説明

1.「現金過不足」の仕訳の簡単な処理方法について
「原因過不足」を使う場合に、初心者の方は、借方(左側)と貸方(右側)のどちらに「現金過不足」を入れるかということで迷って間違われることが多々あります。その原因は、大概、先に「現金過不足」の場所を決めようとすることにあります。そこで、「現金過不足」の問題を考えるときは、次の順序で考えたほうが分かりやすいでしょう。

①現金の実際有高と帳簿残高に差額が出た場合
まず、帳簿の「現金」を増やすのか減らすのかを考える。そして、もし増やすとすると、「現金」が増えるのだから、借方(左側)に記入し、減らすとすると「現金」が減るのだから、貸方(右側)に記入します。その後、空いた方に「現金過不足」を記入するという具合です。

②現金過不足の原因が判明した場合
まず、判明した原因から本来記入すべき勘定科目を考えます。それが費用または資産の勘定科目であれば、借方(左側)に記入し、収益または負債の勘定科目であれば、貸方(右側)に記入します。その後、空いた方に「現金過不足」を記入します。
この場合、原因が2つ以上重なって在るときは、その原因ごとに前述の処理をし、その後借方(左側)の合計金額と貸方(右側)の合計金額を比較し、少ない方にその差額分の「現金過不足」を記入します。

2.「現金過不足」の残高を消す(0(ゼロ))にするには?
「現金過不足」の残高とは、ごく簡単にいうと、その金額が借方(左側)と貸方(右側)のどちらに残っているかということです。仕訳で借方(左側)に記入されると借方残高となり、貸方(右側)に記入されると貸方残高になります。
この残高を「0(ゼロ)」にしたいときは、借方残高なら同じ金額を貸方残高に、貸方残高なら同じ金額を借方残高にそれぞれ入れる仕訳をします。
そうすると、これにより「現金過不足」勘定は、貸方(右側)と借方(左側)の両方に同じ金額が入ります。もともと借方(左側)と貸方(右側)はプラスとマイナスの関係ですから、両方の金額は相殺され、残高は「0」になります。