今回は、複式簿記の中心となる「仕訳」についてみていきます。

 

1.仕訳とは

取引が発生したら、それを記録しますが、その時に最初に行う手続きを「仕訳(しわけ)」と呼びます。仕訳の例を見ながら、説明していきましょう。

 

 

 

<ポイント>

上の仕訳は、「パソコンを購入したので、パソコンという「什器備品」が増え、現金で支払ったので「現金」が減った」ということを表しています。

まず、仕訳は、借方(左側)と貸方(右側)に取引の内容を表す「勘定科目」を記載し、取引金額をそれぞれに記載することによって作るということを知っておきましょう。

①パソコンを購入⇒「什器備品」という「資産」が増加
「什器備品」という資産の勘定科目を借方(左側)に書いて資産の増加を表します。

②現金で支払い⇒「現金」という「資産」が減少
「現金」という資産の勘定科目を貸方(右側)に書いて資産の減少を表します。

 

2.仕訳を考える際の5つのグループの増加と減少の位置関係

上記の仕訳は、詳しく見ると次の順序で考えています。

①取引の内容を見て、使用する勘定科目を考える。

②その勘定科目が「資産」、「負債」、「収益」、「費用」のどの要素(グループ)に属するものかを判断する。

③その勘定科目が増加したとき、または減少したときに、借方(左側)、貸方(右側)のどちらに記入すべきかを判断する。

④借方(左側)の合計金額と貸方(右側)の合計金額が一致していることを確認する。
これは、テキスト第2回で学びました「貸借一致の原則(または貸借平均の原則)」が仕訳でも使われているということです。

下の表は、それぞれのグループについて、増加したときと減少したときの記入すべき位置(借方(左側)か貸方(右側)か)を示しています。

仕訳の練習をする前に、下の表を利用して、各グループが増加した時と減少した時の記入する位置を覚えてください。

その上で、各グループの勘定科目を前回見た表を使って仕訳練習で各勘定科目を覚えていきましょう。

 

 

 

<ポイント>

この表を覚えるときに間違って覚える人が陥りやすいのは、次のような点です。

①そもそも、「資産」と「収益」はともにプラスのイメージがあり、反対に「負債」と「費用」はマイナスのイメージを持ちやすい。

②そのイメージでこの表を見ると、プラスイメージの「資産」と「収益」は、増加したときにはいずれも借方(左側)に記入すると考えがちですが、これは誤りで、「資産」が増加したときは借方(左側)に記入しますが、「収益」はこれとは逆に貸方(右側)に記入します。

③また、マイナスイメージの「負債」と「費用」は、②とは逆に、増加したときはいずれも貸方(右側)に記入すると考えがちですが、これも誤りで、「負債」が増加したときは貸方(右側)に記入しますが、「費用」はこれとは逆に借方(左側)に記入します。

④そこで、これらを間違いなく覚えるためには、次のように整理するのが良いでしょう。
(1)「資産」と「費用」をセットで覚える。
(2)「負債」と「収益」をセットで覚える。

次は、今回までに学んだところについて、問題練習(テキスト第04回分)をしてみましょう。