現金過不足

 

現金の受け払いは日常頻繁に行われるので、金庫の中にある実際の現金の残高(実際有高(じっさいありだか))と帳簿の「現金」勘定の残高(帳簿残高(ちょうぼざんだか))に違いが出ることがあります。

このとき、どのように処理すればよいでしょうか。

(1)現金過不足とは

帳簿の「現金」勘定の残高(帳簿の数字)が現金の実際の有高(現実の数字)と違っている場合は、必ず実際有高(現実の数字)に合わせなければなりません

例えば、帳簿の残高が10,000円なのに、実際有高が9,000円しかない場合は、とりあえず帳簿の残高を実際有高との差額1,000円分を減らします。

その差額分の原因が、例えば、交通費だとわかっていれば、「旅費交通費」勘定(費用)で処理すればよいのですが、その原因がわからないときは、仮の勘定科目として「現金過不足」勘定で一時的に処理します。

 

<ポイント>

いきなり「現金過不足」を借方(左側)と貸方(右側)のどちらに入れるかと考えると訳が分からなくなります。

そこで、仕訳をする順序としては、実際の有高に帳簿の数字を合わせるために、「現金」勘定を減らすということに着目して、まず、「現金」を貸方(右側)に記入します。

そして、その反対側(借方(左側))に「現金過不足」を記入すると楽に仕訳ができます。

 

<ポイント>

この場合は、仕訳例1とは逆に、実際の有高に帳簿の数字を合わせるために、「現金」勘定を増やすということに着目して、まず「現金」を借方(左側)に記入します。その後、その反対側(貸方(右側))に「現金過不足」を記入します。

(2)差額の原因がわかったとき

「現金過不足」で処理した後、原因がわかったら、「現金過不足」勘定の金額を本来の勘定科目に振り替えます。

 

 

 

 

<ポイント>

現金が少なくなった原因が不明であったため、とりあえず「現金過不足」勘定を借方(左側)に記入して処理していたものについて、「旅費交通費」であったことが判明したので、「現金過不足」を取り消して、「旅費交通費」に振り替える処理をします。

具体的には、まず、4月20日の仕訳で借方(左側)に入れていた「現金過不足」を今回の仕訳では反対側(貸方(右側))に記入します。これにより当初の借方(左側)の「現金過不足」は取り消されたことになります。

そして、本来の「旅費交通費」勘定を本来入れるべき場所、すなわち借方(左側)に記入します。これで、「「現金過不足」から「旅費交通費」に振り替えがされたことになります。

 

 

 

<ポイント>

現金が多かった原因が不明であったため、とりあえず「現金過不足」勘定を貸方(右側)に記入して処理していたものについて、「受取会費」であったことが判明したので、「現金過不足」を取り消して、「受取会費」に振り替える処理をします。

具体的には、仕訳例3の場合の逆を行います。

まず、5月15日の仕訳で貸方(右側)に入れていた「現金過不足」を今回の仕訳では反対側(借方(左側))に記入します。

そして、本来の「受取会費」勘定を本来入れるべき場所、すなわち貸方(右側)に記入します。これで、「「現金過不足」から「受取会費」に振り替えがされたことになります。

 

コラム(勘定科目の修正方法について)

簿記のシステムでは、ある勘定科目を取り消したいときは、今回の解説にもあるように、最初に記入した場所と反対の場所に記入します。例えば、借方(左側)に記入していた場合は、貸方(右側)に記入するという感じです。
取り消したい仕訳の勘定科目に二重線を引いて訂正印を押して修正するとか、会計ソフトであれば、その仕訳を書きかえて再保存するということは、原則として行いません。
理由は、会計では真実性と正確さが求められるので、どのように間違い、それをどのように修正したかという経緯が分かるようにしておかなければいけないからです。これは、簿記を習得する方が知っておくべき重要な基礎知識です。

 

次は、今回学んだところについて、問題練習(テキスト第06回分)をしてみましょう。