1.固定資産とは

固定資産とは、1年を超えて使い続けるために所有している資産で、次の3つに区分されます。

①有形固定資産:形のある固定資産(建物や備品、土地など)

②無形固定資産:形のない固定資産(ソフトウェアや各種の権利など)

③投資その他の資産:有形固定資産および無形固定資産以外の資産(投資のために保有する有価証券(株式、公社債など)や敷金・権利金等の権利など)

 

勘定科目の説明

(1)固定資産を取得したときの仕訳

<ポイント>

建物を購入し、「建物」(資産グループ)が増えたので、借方(左側)に記入します。そして、建物の購入代価は普通預金から支払われ、「普通預金」(資産グループ)が減ったので、「普通預金」を貸方(右側)に記入します。また、登記費用と仲介手数料は現金で支払われ、「現金」(資産グループ)が減ったので、「現金」を貸方(右側)に記入します。
この際に、気を付けるべきこととしては、増えた「建物」の帳簿価額はいくらとして計上すべきか、ということです。

固定資産を購入したときの金額は「取得価額」で記入します。「取得価額」とは、次のように、固定資産の直接の購入代価に、その固定資産を取得するためにかかった諸費用(付随費用)を加えた金額をいいます。

 

取得価額=購入代価+付随費用

 

一般的な付随費用例としては、次のようなものがあります。

①建物:登記費用、不動産業者の仲介手数料など

②什器備品:引取運賃、備品の据付費用など

③車両運搬具:購入手数料など

④土地:登記費用、不動産業者の仲介手数料、整地費用など

 

勘定科目の説明

<ポイント>

本問においては、パソコンのソフトウェアの購入代価は98,000円ですので、これだけなら、什器備品と同様、10万円未満のものとして「消耗品費」などで費用計上することも可能です。

ですが、インストール費用20,000円はソフトウェアに係る付随費用として取得価額として購入代価に加算されることになるので、無形固定資産として「ソフトウェア」(資産グループ)を計上することになります。

本問では、「ソフトウェア」(資産グループ)が増えたので、借方(左側)に記入し、その金額が普通預金より減ったので、「普通預金」(資産グループ)を貸方(右側)に記入します。

なお、振込手数料は、ソフトウェアの取得価額には含めず、「支払手数料」(費用グループ)が増えたとして、借方(左側)に記入します。

 

(2)固定資産を売却したときの仕訳

勘定科目の説明

<ポイント>

固定資産を売却したときは、その固定資産(本問では「車両運搬具」)が減るので貸方(右側)に記入します。その時の仕訳に記入する価額は帳簿価額(本問では、675,000円)です。

そして、売却金額との差額から損をしたか、得をしたかを計算し、損であれば「固定資産売却損」(費用グループ)が発生することになるので、借方(左側)に記入します。もし、得した場合は「固定資産売却益」(収益グループ)が発生するので、貸方(右側)に記入します。

どちらの場合でも、借方合計と貸方合計が一致することを必ず確認します。

※取得価額と帳簿価額に差が生じるのは「減価償却」しているからですが、その減価償却については、後日見ていきます。

 

2.修繕費と改良費

固定資産に手を加える場合、次の2つの場合があり、それぞれ処理方法が異なります。

①固定資産が壊れたりしたときに修理して原状(元の状態)を回復させる場合

この支出を「収益的支出」といい、この支出は「修繕費」(費用)で処理されます。

 

勘定科目の説明

②固定資産の価値を上げる、または長持ちさせる(耐用年数の延長)場合

この支出を「資本的支出」といい、その支出は、価値が上がった、または長持ちすることになった固定資産の帳簿価額に加えられます。

<ポイント>

本問では、コピー機の故障を修理して、元の状態(いつものように使える状態)に回復させただけなので、「修繕費」(費用グループ)として計上します。

「修繕費」(費用グループ)が増えたので、借方(左側)に記入し、支払いで「現金」(資産グループ)が減ったので、貸方(右側)に記入します。

ポイント>

本問では、建物の増築を行っているので、元の状態に回復させたというのではなく、建物の価値を上げたと考えられます。したがって、固定資産(本問では「建物」)の帳簿価額に加える処理をします。

「建物」(資産グループ)が増えたので、借方(左側)に記入し、一方、支払いを普通預金から行い、「普通預金」(資産グループ)が減ったので、貸方(右側)に記入します。

次は、今回学んだところについて、問題練習(テキスト第09回分)をしてみましょう。