ここからは、2回に分けて、負債の中でよく使われる勘定科目について、その内容と処理方法を学びます。
今回は、「未払金」、「前受金」、「借受金」を見ていきます。

 

1.未払金

(1)未払金とは

通常、商品その他物品やサービスの提供を受けたときは、その場で代金を支払わず、あとで支払う場合があります。その際の「あとで支払う義務」を表す勘定科目が「未払金」(負債グループ)です。これは、第10回の「未収金」の逆の立場の勘定科目です。

 

勘定科目の説明

 

(2)後払いで物品を購入したときの仕訳

<ポイント>

後払いで物品を購入した場合は、後日その代金を支払う義務を表す「未払金」(負債グループ)が増えるので、「未払金」を貸方(右側)に記入します。また、文具等を購入して「消耗品費」(費用グループ)を増えたので、「消耗品費」を借方(左側)に記入します。

 

(3)代金を後日支払ったときの仕訳

<ポイント>

未払金を支払ったときは、「あとで支払う義務」は無くなり、「未払金」(負債グループ)が減ったので、「未払金」を借方(左側)に記入します。一方、支払いにより「現金」(資産グループ)が減ったので、「現金」を貸方(右側)に記入します。

 

2.前受金

(1)前受金とは

手付金や内金を支払ったときは、第10回で説明したように「前払金」で処理しますが、反対に手付金や内金を受け取ったときは、「あとで商品の引き渡しや役務(サービス)の提供をする義務」が生じるので、この義務を「前受金」(負債グループ)で処理します。

 

勘定科目の説明

 

(2)手付金や内金を受け取ったときの仕訳

<ポイント>

10,000円を手付金として受け取ったことにより、「あとで商品を引き渡す義務」を表す「前受金」(負債グループ)が増えるので、「前受金」を貸方(右側)に記入します。一方、10,000円を現金で受け取り、「現金」(資産グループ)が増えたので、「現金」を借方(左側)に記入します。

 

(3)商品を引き渡したときの仕訳

 

勘定科目の説明

<ポイント>

商品を販売し、先に受け取っていた手付金を代金に充当したときは、その分、「商品を引き渡す義務」を表す「前受金」(負債グループ)が減ったので、「前受金」を借方(左側)に記入します。また、残額を来月末日に受け取ることとしたため、「未収金」(資産グループ)が増えたので、「未収金」を同じく借方(左側)に記入します。一方、商品100,000円を売り上げ、「事業収益」(収益グループ)が増えたので、「事業収益」を貸方(右側)に記入します。
なお、本問の仕訳のように、借方(左側)または貸方(右側)に複数の勘定科目が記入された場合は、必ず借方(左側)の合計額と貸方(右側)の合計額が一致することを確認してください。

 

3.仮受金

(1)仮受金とは

現金や普通預金で入金があったが、何のための入金か分からない場合は、とりあえず、入金があったことだけを帳簿に記録します。このように、「とりあえずお金を受け取っておくこと」を「仮受け」といい、入金の内容がわかるまで、「仮受金」勘定で処理します。「仮受金」は、入金の内容が判明した時点で正しい勘定科目に振り替える義務があることから、「負債グル~プ」となります。

 

勘定科目の説明

 

(2)内容が不明な入金があったときの仕訳

<ポイント>

普通預金に振込みがあり、「普通預金」(資産グループ)が増えたので、「普通預金」を借方(左側)に記入します。しかし、その理由がわからないため、適切な勘定科目を貸方(右側)に記入できません。そこで、その適切な勘定科目がわかるまで「仮受金」(負債グループ)を増やし、「借受金」を(貸方(右側)に記入)おきます。

 

(3)内容が判明したときの仕訳

<ポイント>

先に「仮受金」として処理していた金額が「寄付金」の受入れ分であることが判明したので、「仮受金」(負債グループ)を減らすため、「借受金」を借方(左側)に記入し、寄付金を受け入れたことにより、「受取寄付金」(収益グループ)が増えるので、「受取寄付金」を貸方(右側)に記入します。これは、「仮受金」を「受取寄付金」に振り替えた処理として考えることができます。

次は、今回学んだところについて、問題練習(テキスト第12回分)をしてみましょう。