今回から2回にわたって、前回作成した精算表をもとに、決算書として、活動計算書と貸借対照表を作成してみましょう。

 

1.決算書(活動計算書)の作成

精算表から活動計算書、貸借対照表の数字は出来上がっていますので、これをNPO法人会計基準に示されている活動計算書、貸借対照表のひな型を使って記入していけば決算書は完成です。
次の精算表は、前回作成したものですが、これをもとに、今回は「活動計算書」を作成してみましょう。なお、この精算表に係る会計期間は2017年4月1日から2018年3月31日とします。

 

2017年度決算に係る精算表

2017年度決算に係る精算表

 

2.活動計算書の書き方について

(1)費用の按分

この精算表は、例として挙げているため、費用が事業費か管理費のどちらか確定されていません。そこで、便宜上、全ての費用を共通経費として、事業費:管理費=75%:25%として按分・配賦を行って活動計算書に計上してみます。
前述の精算表から費用科目を取り出して、事業費と管理費に按分・配賦する金額を求めると次の金額になります。

 

表

 

(2)活動計算書への移記

精算表にある収益と上記で計算した費用をそれぞれ、活動計算書の形に従って金額を移記(書き写すこと)します。
ここで、移記する場合、どこにどの金額を入れるのかをみましょう。
活動計算書では金額欄が3列ありますが、これにはそれぞれ次のような意味があります。

 

①右端:経常収益、経常費用の合計を記載する。

②中央:各収益、費用(事業費、管理費)の合計を記載する。

③左端:各収益、費用(事業費、管理費)の内訳金額を記載する。

 

これに従って記載していくと、収益の内訳があるのは、その他収益だけですから、その他収益の内訳金額は左端に記載し、その合計を中央に記載します。そして、それ以外の収益は内訳がありませんから、そのまま中央に金額を記載します。
そのあと、経常収益の合計を右端に記載します。
ここで、実線が入っているところがありますが、この線は、その上の金額を合計するという意味の「合計線」です。
費用も上記の収益と同様に記載し、経常費用の合計を記載します。

 

(3)当期正味財産増減額、次期繰越正味財産額の計算

経常収益および経常費用の合計が出たら、経常収益合計から経常費用合計を差し引き、当期正味財産増減額を計算します。もし、差引金額がマイナスとなった(赤字となった)場合は、数字の前に「-」または「△」を付します。
その下に、試算表にある「正味財産」の金額を前期繰越正味財産額として記載し、当期正味財産増減額と合計して、次期繰越正味財産額を計算、記載します。
次期繰越正味財産額の金額の下には二重線を引きます。これは、金額の締めきりを表す「締切線」です。

 

(4)その他の注意点

①まず、表題に活動計算書と記載します。

②表題のすぐ下には、この活動計算書の計算期間(会計期間)を記載します。

③上部右横に金額の単位(通常は「円」)を記載します。

④科目の文言や並びを覚えておきましょう。

 

活動計算書

 

この回の演習問題はありません。上記の内容をよく復習し、自分で活動計算書のひな型が書けるようになれば良いでしょう。